消耗品費とは?

 消耗品費とは、消耗性の資産の取得費用の総称で、国税庁HP(タックスアンサーNo.5403)では、以下のように説明されています。

 法人が取得した減価償却資産のうち次のいずれかに該当するものについては、少額の減価償却資産となり、その法人がこの減価償却資産を事業の用に供した事業年度において、その取得価額に相当する金額を損金経理した場合には、その損金経理をした金額は、損金の額に算入されます。

(1) 使用可能期間が1年未満のもの
 この場合の「使用可能期間が1年未満のもの」とは、法定耐用年数でみるのではなく、その法人の営む業種において一般的に消耗性のものと認識され、かつ、その法人の平均的な使用状況、補充状況などからみて、その使用可能期間が1年未満であるものをいいます。
 例えば、テレビ放映用のコマーシャルフィルムは、通常、減価償却資産として資産計上し、法定耐用年数2年で減価償却しますが、テレビ放映期間は1年未満であることが一般的です。したがって、テレビ放映の期間が1年未満のものは、「使用可能期間が1年未満のもの」に該当します。

(2) 取得価額が10万円未満のもの
 この取得価額は、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定します。
 例えば、応接セットの場合は、通常、テーブルと椅子が1組で取引されるものですから、1組で10万円未満になるかどうかを判定します。
 また、カーテンの場合は、1枚で機能するものではなく、一つの部屋で数枚が組み合わされて機能するものですから、部屋ごとにその合計額が10万円未満になるかどうかを判定します。

 なお、個人事業者の場合は、国税庁の冊子『帳簿の記帳のしかた』で以下のように説明されています。
①帳簿、文房具、用紙、包装紙、ガソリンなどの消耗品購入費
②使用可能期間が1年未満か取得価額が10万円未満の什器備品の購入費
※取得価額が10万円未満であるかどうかは、税込経理方式又は税抜経理方式に応じ、その適用している方式により算定した金額によります。

 つまり、個人事業者でも、消耗性の資産の取得費用で、使用可能期間が1年未満または10万円未満という要件を満たす場合、消耗品費として経費に計上することができます(10万円以上の資産は、基本的には固定資産に該当し、減価償却費により年々経費に計上されるため、消耗品費には該当しない点に注意が必要です)。

雑費とは?

 雑費とは、既存の経費項目に当てはまらない(分類できない)費用や少額で一時的な費用などが発生した場合に用いる勘定科目です。

 雑費を使うときの注意点は、使用頻度と金額の2点になります。
 因みに、この場合の使用頻度とは、年に数回使用する程度のことです。
 雑費は一時的に発生した費用ですので、使用頻度の高い取引を処理するには適していません。

 また、金額については、少額のものを雑費とするときには注意が必要です。
 因みに、この場合の「少額」とは、具体的な金額が定められているわけではありません。
 しかし、決算書(損益計算書)上で、雑費が多額になると、税務署の調査理由となる可能性もあるので注意が必要です。
 一般的に、雑費は経費総額の5~10%程度に収まるのが望ましいでしょう。

 もし、既存の勘定項目に分類できないものを雑費に計上した結果、雑費が多額になった場合は、新たな勘定科目を作って区分することをお勧めします。
 また、雑費の中に消耗品費に該当すべき費用がないかを確認し、たとえ少額でも消耗性の資産の取得費用であれば「消耗品費」を使用しましょう。