区分経理とは、売上及び仕入・経費などの取引を消費税の税率ごとに分けて記帳することを指します。

 消費税額は、売上税額から仕入税額を控除して税額を計算しますが、軽減税率制度が導入されるまでは、消費税の税率は標準税率の1種類だけでしたので、税額計算はシンプルなものでした。

 しかし、軽減税率制度の実施後は、税率が8%(軽減税率)と10%(標準税率)の2種類になりましたので、発生した取引について、軽減税率と標準税率に区分して税額を計算しなければならなくなりました。

 さらに、旧税率(軽減税率制度実施前の8%)が適用される取引がある場合は、旧税率も区分して税額計算を行う必要があります。

 したがって、正しい税額を計算するためには、今後は日々の取引を税率ごとに区分して記帳することが求められます。

 とりわけ、手書きの帳簿の場合は、個々の取引実態に応じて、これまでと同様に作成した帳簿の摘要欄等に「軽減税率の対象品目である旨」のほか、適用税率(旧税率、軽減税率及び標準税率)を補完記入するなどして、税率ごとの年間合計金額を集計できるようにするため、納税者にとっての経理処理への負担は増えることになります。
 
 しかし、軽減税率対応の会計ソフトで記帳する場合は、仕訳入力時に適用税率を正しく選択するだけで済みます。それだけで軽減税率の対象となる取引の集計も自動ででき、税額の計算をはじめ、制度に対応した帳簿も簡単に作成することができます。

 なお、区分経理に関する詳細については、国税庁の冊子『事業者の皆様へ( ~区分経理から消費税申告書の作成まで~ )』をご覧下さい。
 また、区分経理の概要については、国税庁のリーフレット『消費税確定申告書を作成するためには「区分経理」が必要です!』をご覧下さい。