日本では、納税者が自ら税法に従って所得金額と税額を正しく計算し納税するという申告納税制度を採っています。
 したがって、1年間に生じた所得金額を正しく計算し申告するために、収入金額や必要経費に関する日々の取引を記帳し、また、取引に伴い作成したり受け取ったりした書類を保存しておく必要があります。

 税務申告の方法には「青色申告」と「白色申告」があり、青色申告者に対しては、一定の要件を備えた帳簿書類を備え付け、記録・保存するよう定められていますが、白色申告者に対しても、記帳制度や記録保存制度が設けられています。

 因みに、青色申告は、一般の記帳より水準の高い記帳をし、その帳簿に基づいて正しい申告をする人に対して、所得の計算などについて有利な取扱いが受けられる制度で、損失(赤字)が発生した場合、翌年以降の所得から差し引けるなどの特典が設けられています。

 とりわけ、個人で事業を行っている方の場合、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を所得税確定申告書に添付して法定申告期限内に提出することで最高55万円(改正後)の青色申告特別控除を受けることができます。

 また、法人(株式会社)の場合、会社法の第432条で「株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない」と定められており、会計帳簿の作成及び保存が義務づけられています。